第4回 食サイエンスセミナー(2013年)
9/14(土)・9/15(日)2日間開催の食サイエンスを開催しております第4回目は、『京料理がすすめる嚥下食』をテーマとした食の講習会開催しております。
1日目の講演は
◆山ばな平八茶屋21代目若主人 園部晋吾氏 ◆京料理 萬重 3代目若主人 田村圭吾氏
2名の講師によるテーマ『京料理がすすめる嚥下食』(試食付き) を講演していただきました
2名の講師に正面講師とのことで、和気あいあいと盛り上がる講習会となりました
嚥下食(えんげしょく)とは、水や飲み物が飲み込めなくなったり、肺のほうに行ってしまったりするために口から食べられなくなった方が、食べられるようにするための食事のことを言います。
今回の講習会では、日本料理らしく目から楽しめる嚥下食をお二人の先生方にご提案をしていただきましたその名も松花堂弁当 長月です
(左写真)デモで作成したメニュー (右写真)講演中にご試食メニュー
ミキサーを駆使することで、見た目美しくも味も美味しく仕上がりました
田村講師の講演の中で「嚥下食について」印象に残ったお話しがありました今回のお品書きにある、「鮭杉板焼き」という献立があるように、焼き魚の嚥下食にする場合は、「皮」「身」の2層にして仕上げます。
ある施設の入居者様が嚥下食を食べる際、ふと自然に「皮」と「身」を分けられたそうで、その時「自分は魚の皮が苦手で、魚の皮を剥がして食べることを思い出した」と入居者様に言われたそうです。
嚥下食はただ食事をとる方法ではなく、食への喜びをこみあげさせる大切な方法だと実感させられました。
本日受講された方はお越しくださいましてありがとうございました
2日目【分科会1】レポート
昨日に引き続き、第4回食Scienceセミナーが開催されました。2日目となる今日は、日本料理・フランス料理・製菓の3ジャンルに分かれて、講演デモと調理実習を行っていただいております分科会1では『酵素を使ったおいしく柔らかい食と調理実習』を講演して頂きました!!
凍結含浸法を使うことで、見た目も美しい嚥下食を作っていただけます。
講師は
奈良女子大学名誉教授・関西福祉科学大学教授 的場 輝佳 氏
学校法人大和学園 理事 仲田 雅博
講演中も気軽に質問ができ、2人の息の合った講演で笑いありの楽しい講演デモとなりました。
調理実習では仲田講師直伝のだしの取り方を学べる内容で、みなさん質問をしながらワイワイとした雰囲気で実習されていました。
そして今回献立は“だし”が決め手の煮物料理となっております。仲田講師が事前に用意をした凍結含浸法を用いた煮物料理と食べ比べをしていただきます。
今回の煮物料理の献立コチラ
◆肉じゃが
◆筑前煮
◆豚と大根の煮物
◆海老とすり身と野菜の煮物
(上の写真は実習で作った煮物料理)
(上の写真は凍結含浸法を用いた煮物料理)
的場講師の「見た目が美しく、形をのこして柔らかい食事」の持論を踏まえて、酵素を使って、野菜や肉類、魚類などの食材を柔らかくして、おいしく、食べやすくする調理の方法を提案させていただきました見た目が美しいと食事をすることに楽しみが生まれますね
また自宅や職場でも再現していただき、「調理と科学」に触れて頂きたく思います。
2日目【分科会2】レポート 塩を使わないフランス料理!
本日ラ・キャリエールで、年に一度のビッグイベント「食サイエンスセミナー」の分科会が開催されました。笹井先生の“塩を使わないフランス料理”をテーマにしたセミナーです
メニューは…
魚介とナスのタルタル仕立て
野菜たっぷり香りで楽しむスープ
サーモンとフルーツのミルフィーユ仕立て
特選牛フィレ肉と若鶏のポワレ 京野菜添え
ガストリック風味のブランマンジェ フルーツ添え
なんとも豪華な内容ですね参加されたみなさまも大変集中して、作業に取り組まれていたお姿に感動いたしました
2日目【分科会3】レポート
あいにくの雨ではありましたが、たくさんの方にご参加いただきました第4回食サイエンスセミナー。製菓の部では、「舌と目で味わう和菓子」をテーマに、 種類の和菓子を実習いただきました。
講師は、京都製菓技術専門学校・中川美由紀先生です
まずはデモンストレーションで、作り方を教わり、普段はあまり自分では作らない和菓子を、いろんなコツを教えていただきながらの実習です。
お菓子は、温度、量、時間などとても重要とのことみなさん、なかなかの手つきでおいしそうな和菓子を作っておられます
今回は嚥下食がテーマということで、ゼラチンや寒天などを使い、お団子もじゃがいもや山芋を使用した柔らかい仕上がりとなっております。見た目は、普通にお店で売っているものと変わりません
2日間にわたる食サイエンスセミナーも無事に終了来年はどのようなテーマでの講習会になるのか、今から楽しみですね