学園概要

2010年度 各校運営方針

2010年度 京都栄養医療専門学校 運営方針
はじめに

100年に1度といわれる世界同時不況の影響を受けて、社会の各層で枠組みが変化するパラダイムシフトが、加速度的に起こり始めています。これは、従来の教育モデルや運営システムに安住せず思い切った変革やイノベーションを断行し、真に社会に求められる新たな価値創造を行った教育機関だけが生き残る時代が到来したことを意味します。

近年、栄養士、管理栄養士養成を取り巻く環境は、健康増進法や食育基本法の制定、栄養教諭の創設、新たな食事摂取基準や食事バランスガイドの策定、そしてメタボリックシンドローム対策に向けた特定検診・特定保健指導の実施など過去数年間を振り返っただけでも、目まぐるしく変化しております。また、食育の推進や生活習慣病対策及び介護予防に対する具体的成果の創出を含めて、栄養士・管理栄養士の果たすべき役割と期待はさらに大きくなってきています。

一方、度重なる医療費抑制政策により、医療を取り巻く情勢は年々厳しくなっており、今後は、医療のIT化推進に対応し、コ・メディカルの一員として医事業務を遂行できる高い職業能力と資質を兼ね備えた医療事務や医療秘書の人材養成が急務となってまいります。また、医療の高度化や医療業務の複雑化、電子カルテと情報ネットワーク化の推進、さらには、EBM、医療機能評価、DPC などの広がりによって、診療情報管理士や医療情報技師の担う役割はますます高まっており、医療機関にはなくてはならない存在となりつつあります。

このような中で、人材の供給側である高等教育機関の担うべき責任も重大になってきており、まさに本校の職業人養成教育の真価が問われる時代が到来しました。

コア・コンピタンスの連携・融合と継続的な改善で高める競争力

今年度本校では、人々の健康の維持・増進や地域医療に貢献する優秀な人材を社会に輩出するために、人を思いやり人に奉仕する「アカデミー・オブ・ホスピタリティ」の教育哲学を重視し、人間力向上を軸に実務的で高度な職業能力を身につけさせる職業型実学教育の教育的価値の最大化に努めてまいります。昨年は、教職員一人ひとりのコア・コンピタンスを日々向上させて、そこに知恵を加えることで本校の競争力を高めてきました。今年度は、個人やチームのコア・コンピタンスを連携・融合させ、時代の教育要請に応じた新たな教育分野やS.E.U.を視点にした先端的な教育指導モデルを開発、運営することで本校の競争力を高めてまいります。

特に教職員は、社会の動きや変化を俊敏に感じ取り職業教育に反映させるためのスピード重視の取り組みにチャレンジします。また、教員・助手は、専門分野の学会・研修会に積極的に参加し発表する機会を設け、先端的な栄養、医療に係る情報収集をはじめ、新たな研究技術や調理システム、診療情報や栄養管理手法に精通して、授業や学科運営の競争力の向上に努めます、そして、教職員のこれらの取り組みを連携、融合させて他に類を見ない本校独自の職業教育の完成度を高めていきます。

また、食物系高校や栄養系大学院等他の教育機関をはじめ就職先事業所、地域社会、行政など社会の各層と広域に連携しながら、多様で高度な学習体系を提供するとともに、CSRに根ざした学校運営を図ることで本校の存在意義を高め、産業支援につながる職業教育を推進します。さらに、あらゆる業務や事業において継続的な改善を加えて、低炭素社会の実現に向けて徹底したコスト削減を断行し、教職員の能率や生産性を高めつつ、人々の心を動かす新たな職業教育の価値創造を目指します。そして、本校の教育力、就職力、募集力、及びアドミニ力の競争力を向上させて、学生をはじめステークホルダーズの満足度を高めながら、本校の信頼の証となるブランド力の強化に教職員が一丸となって取り組んでまいります。

本校の職業型実学教育と「ひとづくり」の取り組み方

今年度本校では、卒業後、習得した専門知識と技能を活用して他の専門職種と連携しながら業務を遂行できる職業能力の育成に力点を置きます。そのためには、今年も継続して学生の「学ぶ」力を高め、「考える力」を養い、最後までやり抜く「実行力」のバランスが取れた高い実務能力を持った職業人養成に取り組みます。

また、他者への思いやりの心や人に奉仕する精神を育くむホスピタリティ教育を基本に、学生の自主性を伸ばし、ストレス耐性、コミュニケーションスキルそして、リーダーシップを習得させるプログラムや指導法の充実を図ります。そのためには、ライブ感溢れる学生参加型の授業とハンズオン・トレーニングを徹底した実習・演習に取り組み、学外研修、課外プログラム、そしてイベント・行事の充実を図ります。

さらに今年度は、学生の苦手科目の解消や基礎学力の向上を目指して、勉学サポート体制とe-learningや学生用サイボウズを含めたICT教育サービスの強化に力を注ぎます。これらを通じて、学生一人ひとりの能力を高め個性を引き出すことで、就職先事業所や地域社会から優れた職業能力を持つ人材と高い評価を受けることを目指します。

管理栄養士科においては、学生の質的変化が顕著に見られる中、新たな世代を意識したシラバス作成や国家試験対策の再構築を図り、国家試験の100%合格を目指します。また、学生が自ら考え、実践し、表現することのできる教育を推進するため、卒業生や関連職種との積極的な交流を通じて、確かな職業観を醸成し学習意欲の自発的向上を図ります。そして、生活習慣病の予防と進行防止、特定保健指導の効果的展開、高齢者に対する介護予防、次世代の育成に関わる親と子の食育の推進など実務的な栄養ケアマネジメント能力と対象者の行動変容を引き起こすエンパワーメント力を兼ね備えた管理栄養士を養成します。

栄養士科では、実力の証となる認定栄養士実力試験におけるA認定の100%取得を目指します。また、「調理と献立作成に強い栄養士」と「給食の運営に秀でた栄養士」の養成を目標に、確かな職業能力を習得させるために理論と実務を有機的に融合させた専門教育システムや指導方法の改善を図ります。また、学生一人ひとりが将来の目標や就職分野に応じた学習ができるよう、学科、コース、及びクラスの再編やスキルアッププログラム等の見直しを行い、職業教育の専門性を高めます。

今年度も、食育栄養インストラクター資格や栄養教諭免許状をはじめとする関連資格・検定を取得するダブルライセンスの実績を高め、本校独自のユニークで充実した職業型実学教育の推進を図ります。

医療秘書福祉科では、来年度より運用する2学科(医療事務科・医療秘書科)、4コース(医療事務、医療情報、病院受付、看護クラーク)、2専攻コース(診療情報管理士・医療情報技師)に及ぶ新学科体制へのスムーズな移行ができるよう、学科運営の新しいビジョンと教育の特色づくりに向けて基盤を固める年とします。また、医療・福祉・保健サービス現場の人材ニーズや教育要請を調査研究し課題を把握した上で、現行のカリキュラムや教育プログラムに改善と創意工夫を加えて、時代の変化を先取りした本校独自の専門教育の充実を図ります。

さらに、目標資格検定の全国トップクラスの高い取得率を維持・向上させながら、「メディカル・ホスピタリティ」の規範教育を軸に最新、かつ高度な医療機器を完備した最先端の医療事務・診療情報演習室のリニューアルを図り、医療現場さながらの実戦的な授業・演習を展開します。

さらに、専門知識と技能とを統合する教育サイクルを確立させるために、講義・座学と実験・実習の連動性を強化し、授業と実務を一体化した産学連携による臨地実習、校外実習、そして病院実習を含めたインターンシッププログラムの充実に力を注ぎます。これにより、学校で学んだ専門知識、技能、態度を実際の現場で活用、または応用し、実務経験を通じてこれらを統合する能力のさらなる向上を目指します。

また、今年度からは留学生の受け入れを本格的に推し進め、ホームページ、各種パンフレットの多言語化や、日本語学校との連携による受け入れ体制の整備、出口となる就職を意識した施策を展開して、グローバル時代の新たな学校づくりに取り組みます。そして、アジア・太平洋地域でトップクラスの学校として、「世界からも選ばれる学校」をめざします。

就職支援と学生募集の強化で、入口と出口を見据えた学校づくり

学齢人口の減少、学校種を超えた競合の激化、そして、経済状況の悪化等、本校を取り巻く環境が極めて厳しくなる中、本校がこれからも発展し続け社会に貢献するためには、アカデミー・オブ・ホスピタリティを標榜する本校の特色を学校運営に鮮明に打ち出す積極的な広報の展開が不可欠となります。また、全国有数の国家試験及び資格検定の合格実績や質の高い就職実績を継続して創出することで国内外から志の高い優秀な入学者を集め、社会に役立つ有為な職業人養成を通じて地域や産業界に貢献するひとづくりの循環を創ることが重要です。

今年は、就職担当者と教員・担任とのさらなる連携とそれぞれのリーダーシップの発揮による個々の学生に応じたきめ細かい就職支援や採用試験対策を行うことで、学生の自発的で能動的な就職活動を促進してまいります。また、新たな事業所の開拓やWebを中心とした広報活動に力を注ぐ一方で、重点事業所とのさらに深いネットワークを築くことで、学生の第一希望就職の実現を図ります。そして、学生の高度な学習ニーズに応えるため、管理栄養士科や診療情報管理士・医療情報技師専攻コースへの内部進学や大学院入学を進路選択の1つと見据え、本校の学科間及び大学院との連携による高度学習体系を構築することに挑戦します。さらに、情報ライブラリー、キャリアサポートセンター、ICT教育サービスにおいて、学生が主体的に情報収集し、自己学習力を向上させ、自らのキャリアビジョンを具体的に描くことのできる環境整備を図ってまいります。

一方、学生募集においては、少子化で新規入学案内請求数の増強が困難を極める中、従来のメディア選択、ガンダンス、体験入学・オープンキャンパス、そして高校訪問の取り組みを強化する一方で、ホームページ及び携帯サイトの充実やSEO対策、リスティング広告の強化を図り、入学希望者のマインドシェア(本校第1希望率)を高めるインタラクティブ・マーケティングモデルの確立を図ります。また、AO入学や指定校推薦入学と奨学金制度を連動させた入試制度の充実を図り、学生募集プロセスの好循環を促進するとともに、各部署が連携して本校の教育を広く社会に広報することで認知度を高め、体験入学の動員と出願数の増強につなげていきます。

以上を踏まえ今年度は、学生たちが自分に誇りと自信を持ち、職業を通じて自らを高め明るい豊かな地域社会づくりに貢献する職業人養成を展開してまいります。そのためにも、教職員一人ひとりが自ら学び、考え、新しい価値を生み出す智恵とホスピタリティの実践を行うことで、学園創立80周年に向けて人々の心を動かす職業型実学教育の飽くなき探求と確立を目指してまいります。