学園概要

2010年度 学園運営方針

心を動かす人づくり -コア・コンピタンスの連携と融合-

はじめに

社会のさまざまな分野において、枠組みが変化するパラダイムシフトが起こる中で、学園を取り巻く環境は大きく変化しています。資源が乏しく人口減少社会に転じた日本の経済は、成長か衰退かという厳しい岐路に立たされています。また、政権が変わり政治の視点や手法が変わると社会の秩序を維持する法令や基準が変わり、法令や基準が変わると国民の意識が変わって生活・消費行動も変わります。このことは、従来のビジネスモデルやシステムでは立ち行かなくなり、思い切った変革やイノベーションが必要となることを意味しています。

18歳人口の減少は一旦落ち着くものの、高校新卒者の専門学校進学率の5年連続低下や、100年に1度といわれた経済危機に端を発する企業の厳選採用など厳しい環境には変わりありませんが、一方では、サービス産業に従事する人材の養成ニーズの高まりなど、職業教育や生涯学習に対する期待はさらに大きくなることが予想されます。

このような社会・経済の変化に対応するためには、過去の延長線上の発想や借り物の知識では通用せず、課題の解決もできません。これからは、社会の各層と連携しながら、新しい発想や従来にも増して高い志と確かな職業能力を身に付けた人材が求められ、それに応えられる職業教育と生涯学習を展開していかなければなりません。

私たちは、この変化をチャンスと捉え、“個々の力を全体の力にしよう”という行動原則に立ち返って、個々のコア・コンピタンスを連携・融合させ、組織全体の力へと磨き高めることで、人々の心を動かして新たな価値創造へとつなげます。

連携強化によるコア・コンピタンスの融合

学園はこれまで、個々のコア・コンピタンスを活かしながら、そこに知恵を加えることで競争力を高めてきました。今年度は個々のコア・コンピタンスを連携し、融合することで、職業型実学教育の教育的価値を最大化するとともに生涯学習事業の拡充をめざします。

具体的には、各校で実施する学科・コースの見直しや、学科・クラスの細分化などS.E.U.の取り組みをさらに推進し、学生の高度な教育ニーズ、学習意欲に応える多様な教育機会を提供します。また、グループ校の高い教育メソッドを共有し、相互に活用する仕組みづくりを行うなど、教科間、学科間、学校間の連携を強化し、コア・コンピタンスを融合することによって新たな価値を創造していきます。

さらに、同分野の学科を持つ高等学校との広域的な連携や、大学への編入学システムを整備することによって、高度な知識と技能を持つ戦略的人材育成を行います。この高・専・大の広域連携を通じて、高度学習体系を構築し、志の高い学生の入学促進および、我が国のホスピタリティ産業界の次代を担う人材の輩出をめざします。

募集・広報活動においては、学校、学科・コース毎に個性の見えるマーケティング活動を推進し、成果へとつなげます。特に今年度は、学園および各校がリーディングブランドであり続けるために、パソコンや携帯電話のホームページ・メールを有効に用いるインタラクティブマーケティングを強化し、進路選択を行う入学希望者の学園各校へのマインドシェアを高めます。就職支援においては、早期から学生の自発的で能動的な活動を促進するとともに、関連事業所との信頼関係強化を図り、この厳しい環境下においても学生の第一希望事業所への就職を実現します。また、学園内の他学科への進学や編入学など、多様な進路選択を視野に入れた幅広いキャリアアドバイスを行い、総合教育機関としての教育の付加価値向上に努めます。

生涯学習においては、少人数制や経験豊かな講師陣、魅力あるコースコンテンツ、充実した施設などラ・キャリらしさを出しながら、アイスブレーキングによる楽しい雰囲気づくりに努めるなど、新たなインストラクション技法を取り入れて継続受講を促進します。また、気軽に参加できる体験レッスンへの参加を促進することで、新規入学者の増加につなげます。コンサルティングをはじめとした産業支援活動においては、部署の垣根を越えたコア・コンピタンスの融合によって、学園資産を有機的に活用した、産・学・公連携の社会人向け短期人材養成講座の開設など、生涯を通じて高度な技能を習得できる新たな教育サービスを展開します。

世界のtaiwaへ

本格的な留学生受け入れの初年度となる2010年度は、留学生が安心して勉学に取り組むために、生活面も含めた本学園ならではのサポート体制を整え、「適正校」として継続並びに新規の認定をめざします。また、留学生をサポートする学生ボランティアの募集や、日本文化を学ぶことのできるスキルアッププログラムの実施など、日本人学生と留学生とが互いに良い影響を与え合える環境を創るとともに、留学生一人ひとりに対してOne to Oneの進路支援を行うことで、卒業後の満足度を高めます。広報面では多言語化をさらに推進するなど、対象となる国や地域に合わせたきめ細やかな活動を積極的に展開します。

さらに、地球規模で活躍できる国際感覚溢れる人材を養成するために、学生の海外研修旅行および留学プログラムへの参加を促進するとともに、インバウンド観光誘致のために旅行会社との連携のもと、短期留学プログラムを開発して海外からの短期留学の受け入れを積極的に行います。

地域から愛される学園へ

地球環境保全を推進しつつ、学園が継続的に発展するためには、エネルギー消費やゴミの削減など、CO2の排出を減らす低炭素社会づくりへの貢献と無駄な経費を節減する取り組みが不可欠であり、そのことは京都の都市格向上にもつながります。

今年度はクラスター型シティーキャンパスのさらなる拡充を図り、一方では日々の努力で電気、ガス等の使用量を低減させつつ、今ある施設・設備を常に最高の状態に保って、安全・清潔・快適な教育環境の維持に努めます。

CSR活動については、地域の食育や栄養教室、産業支援など地域社会に根ざした活動を促進し、社会と共生する学園として「地域から愛される学園」をめざします。また、「アカデミー・オブ・ホスピタリティ」を標榜する学園として、他者への思いやりの心や人に奉仕する精神を育くむホスピタリティ教育の重要性を改めて認識し、人づくりを通じて社会的責任を果たしていきます。

さらに今年度は、環境保全や社会貢献に積極的に取り組む学園の姿勢を見える化し推進するためにISOの認証取得に着手します。

最後に

中期経営計画「Challenge for the 80th Anniversary」の中間年度となる2010年度は、あらゆる施策に対して、ヒトやモノを融合させることで、個々のコア・コンピタンスを組織全体のコア・コンピタンスへ、そして個々の「知恵」を全体の「智恵」へと磨き高めることで、圧倒的な競争力を発揮して、具体的な成果を生み出す年度とします。

そのために、教職員同士が部署や校の垣根を越えて有機的につながり合う「学園内コミュニケーション」を促進し、活気ある職場環境を創出します。また、業務の生産性を向上させるために、優先順位を明確にし、効率的な時間管理を行う優先度管理(プライオリティマネジメント)を徹底して、個々の力を5つのパワー(教育力・就職力・募集力・ブランド力・アドミニ力)に結集することで学園運営基盤を強化します。

この変化の大きい時代には、教職員一人ひとりが自ら学び、考え、新しい価値を生み出す智恵とホスピタリティの実践が人々の心を動かす源泉となり、学園発展の原動力にもなります。学園創立80周年に向け、一人ひとりが変化を先読みする先見性を持ち、柔軟な発想で諸施策にChallengeしていきましょう。